フットワーカー

■今季終了、NBA FINALS 2009

MVPはコービー・ブライアント。7年前にシャックと一緒に3連覇してから、ようやく自分がリーダーシップを発揮して優勝できることを証明した。彼しかり、マイケル・ジョーダンしかり、向上心というか集中力というか、そのあたりの能力が本当に突出しているのだと思われる。己のキャリアに3連覇を刻んでなお、このハングリー精神は一体どこから来るものか。地位と名誉と金とキレイな嫁さんを手に入れれば、そりゃ確かに他にやることもなくなって、己の道を極めることしかタスクになり得ないのかもしれぬ。もしくはそのまま沈んでいくか。金銭のしがらみから解かれたとき、人は何を考え、世界がどう映るのか。これは個人的に昔から興味のあるところ。
しかしながら、今日のこの日にこの流れを持ってこれたのはデレク・フィッシャーによる一発であることは誰もが否定できず。知る人ぞ知る、フィッシャーとは不屈の男である。華々しいレイカーズでの連覇のあと、チーム解体によりゴールデンステイト、ユタを転々とするが、そんなときに襲い掛かった娘さんの大手術と治療。ユタに退団を申し入れ、そのままコートを去る可能性もあったのだが、2007年に復帰。娘さんのために医療施設が充実している大都市での復帰を望み、実力に相応しくない定年棒を飲んで、古巣・レイカーズに帰ってきた。玄人好みの安定感とクラッチシュートを持ち味とするベテランポイントガードは、3連覇した当時のヘッドコーチであった名将フィル・ジャクソンのオフェンスに当然のごとくフィット。コービー・ブライアントとともに強力なバックコートを築き、4度目のチャンピオンリングを手に入れるに至る。ミスが少ないという意味で安心して観ていられる選手はさほど多いものではない。自分個人としては、ジョン・ストックトン、ケニー・スミス、ケビン・ジョンソンらに引けを取らない「カタいポイントガード」であると思っている。
いまの自分にとって、逆境に負けない誰かの姿を見ることは活力そのものである。石の上にも三年。継続は力なり。他人を羨んでも仕方なし。フィッシャーを見習い、地味でも確かな一歩を積み重ね、気付けば遠くに来たもんだと、いつかニンマリ笑えるような日を迎えたい。


⇒2008年のNBA FINAL
⇒2007年のNBA FINAL ※コミケネトゲにうつつを抜かして記述なし
⇒2006年のNBA FINAL
(20:50)

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■オーランド・マジックのネルソン、ファイナルでの復帰について語る
興味深いのでメモ。(9:35)

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