マイアミ・ヒートが東の首位に立つ

NBA 2010-11の今シーズン開幕時、ウェイド、レブロンボッシュを擁するマイアミには、80年代レイカーズのようなショーバスケット、もしくは90年代ブルズのような鉄壁の試合運びを期待した。自分は支持者。支持というか、単純にエキサイティングなチームを見ることができて幸せだと思った。が、最初の20試合程度を経たとき、それはことごとく裏切られたと感じた。裏切られたというより、絵に描いたような最悪のシナリオが始まったのだと思った。一部のアンチはもう、思いっきりほくそ笑んでるのだろうと。
まったく発揮されない3人のケミストリー。レブロンとウェイドは、各々のチームのスコアラー&大黒柱として働いてきて、それなりのプライドがある。互いを尊重しよう、立てようとするあまり、遠慮に置き換わってしまっているように見えた。守る側もバレバレではないかと思うくらい、細かい、しょうもないパスが2人の間を飛び交っていた。また、当初の予想通り、ボッシュもこの2人によってスタッツ込みで存在感が薄まっており、トロントから陽の当たる場所を目指してやってきたはずなのに、この状況で果たして本人は満足しているのだろうかと心配してしまった。



NBAリーグパスBBの恩恵で、今季はマイアミをほぼ毎試合見ているけども、このおよそ2カ月はとても長く感じた。まだオールスターまで1カ月もあるけども、本当に長く感じた。開幕当初と比べて、選手の起用法は徐々に変化し、確率されてきた。本当に使える選手とそうでない選手が自分にも分かってきたし、スポルストラHCの歩の進め方は間違っていないと思える。12月にはマイク・ミラーも怪我から復帰して、さらに厚みが出た。“現役最高峰の若武者3人+百戦練磨の老兵たち”という、実に分かりやすい構成のチーム。2000年代前半と後半のスター選手が入り混じっており、両方を知る自分としては、どうにも一言で表しづらく、「面白い」としか言いようがない。
開幕の絶不調を経て、ついに昇りつめた東の頂点(30勝9敗、勝率0.769 )。新世代BIG3の全貌が明らかになってから抱かれていた、支持者とアンチの期待と予想が、両方とも現実になったように思う。いくらBIG3でも、噛み合わないときは噛み合わない。チームバスケットを展開するにはどんなプロフェッショナルでも時間を要する。一方、この底力と復活劇は、やはりBIG3であったからこそ成しえたことだと思う。やっぱり強い。この3人の組み合わせはかなりタフだ。
次に狙うは、サンアントニオ(31勝6敗、勝率0.838 )が守るリーグ首位の座(このチームの勝ちっぷりも想定外だった)。開幕前の不安、期待がともに現実になったところで、ようやくチームがニュートラルになれた気がしている。スター3人はメンタル面も成熟している。学習も早い。試合ごとに、いまのチームをコントロールする術を得てきたに違いない。何よりも彼らには若さがある。こしゃくなバスケットを力でねじ伏せることができる。2年目、3年目と言わず、サンアントニオ、ボストン、LAレイカーズを黙らせ、1年目から覇権を握ってほしい。賛否両論あるが、リーグ全体のファンとしては、何となく、NBAの新しい時代はこのマイアミBIG3が優勝するところから始まるような気がする。“フランチャイズプレイヤーの時代”が終わる瞬間を見てみたい。


自分がガッカリした時点の勝敗 ⇒9勝8敗
現時点での勝敗 ⇒30勝9敗


この間、21勝1敗。とんでもない。ただ気になるのが、試合運びがレブロン在籍時のクリーブランドと似ていること。レブロン+その他 だったのが、レブロン+ウェイド+ボッシュ+その他 になっただけマシだけども。個人的にこのチームの中で活きていると思えるのは、ジェームズ・ジョーンズ(3PTシュート)とビッグZ(サイズとアウトサイドシュート)くらい。あとはジュワン・ハワードが必死に着いていこうとがんばっている。アローヨとチャルマーズは、どうも起用する理由が見つからない。

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