腹周りの脂肪

人間は生きるためにエネルギーを貯える。脂肪はエネルギー。運動すればエネルギーを消費してしまうので、貯えるには身体の中でとりわけ動作が少ない部分がいい。それがお腹周りなのだ。多くの場合、人が運動やダイエットを始めるきっかけはこのお腹周りの脂肪を落とす(腹をへこませる)ことだったりするのだが、残念なことに人体の構造上、この部分が最も脂肪を貯えやすく、落ちにくい箇所。落ちにくいとは、脂肪が落ちる優先度がかなり低いということ。筋肉がつき、内臓脂肪を消費して削ぎ落されたあとで、ようやく皮下脂肪が落ち始める。なので、しっかりしたトレーニングをしばらく続けても、腹だけは最後の最後までへこまないので、成果が上がらなかったと落胆してトレーニングをやめてしまう人が大変多い。
レーニングは続けることに意義がある。お腹をへこますことだけ狙って毎日腹筋ばかりしても、脂肪はほぼ落ちないに等しい。目に見える腹だけ鍛えればよいのではなく、背中や横っ腹の筋肉など、全部ひっくるめての腹。それぞれの筋肉を伸縮させて、胴周りとして鍛える必要がある。まずは全身運動。全身を鍛え、筋肉をつけ、内蔵脂肪を落とす。腹をへこますのがゴールならば、そこで初めてスタートラインに立てる。誰しもがお腹周りはそもそも痩せにくいことを理解することが大切で、自分でがっかりしたり、人をがっかりさせたり、トレーニングを諦めたりすることが、一番の落とし穴ではないかと思う。

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