A Round Year

■レインボーブリッジャー
フランス料理のコースを食って、夜の東京湾をクルージング。1時間ほど潮風に吹かれながらレインボーブリッジの下をくぐった。などという、おれらしからぬ近年稀に見るブルジョア行為に走ってみた。カメンライド諭吉。フランス料理うめえ。ほんとにうめえ。そしてはっきり分かった。断言しよう。本当の美味い料理というのは、もうとにかく徹底的に「マズくない」のだ。これにつきる。これは真理だ。素材のせいで少し辛すぎるとか酸っぱすぎるとかコクがありすぎるとかカタいとか、そういう妥協が一切ない。全くない。昨夜出された料理はどれも口どけがよく、違和感、嫌悪感なく、必ず何かしらの「美味い」というゴールに辿り着く品ばかりであった。
どれもこれもが落ち着いて食える。量も丁度いい。種類も豊富。精神的に貧相にならず、身体にもやさしい。アルコールをほとんど採らない自分が「この酒うめえw」とか言いだすほどの異常事態。とにかく無難に至高のひとときが過ぎていくのだ。
大いに悟った。デカいリアクションをとらせたり、ド派手なことをすることだけが「凄い」というわけではない。淡々とやるべきことをやり、期待通りにやり過ごす。この「当たり前であること」「普通であること」「無難であること」こそが、「期待を裏切らないこと」に繋がるのだ。そして、その域に達すること、それを維持していくことは物凄くハードルが高く、これこそが真の最強を意味するのである。(17:50)

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