恥ずかしいことを偉そうに

Kiddfive2007-02-01

GBAFF6 アドバンス』をクリアした
スーファミ時代、自分は確か中学生。遊び盛り・伸び盛りの時期にのめり込んだタイトルだったが、次第にバスケに夢中になったか何かで、結局クリアしないまま保留。学校生活、部活、恋愛、受験、上京、バイト、就職……、保留、保留、保留で、この2007年2月に至った。まだ先が長い自分が言うセリフではないが、これをプレイしていた時は本当に何もかもが楽しかった。変わる環境、成長する自分、毎日友達と会えて、家族も健康、明日は何が起こるかとどきどきわくわく。そんな時期に遊んだタイトルだけに、いつかクリアしなおそうとは思っても、その思い出や感触だけが美化され続けてきたんじゃないかと、ずっと心の隅で考えていた。


そして今夜、その長く背負い続けてきた想いに終止符を打った。


文句なしの神ゲー。本作のテーマは、絶望と挫折の中にある“希望”。RPG的によくあるテーマなんて言われれば、確かにそれまでだ。でも、明確なバックボーンを持った多くの主人公たちが織り成す物語は、本当の本当に心打たれるものがある。グラフィックが3Dである必要は全く無い。サウンドが生オーケストラである必要も全く無い。当時の感動そのままに、その演出ひとつひとつを堪能しながらクリアまで進むことができた。面白さも全く色褪せてなどいない。月並みだが、いまのゲームには無い“何か”が間違いなくここにある。ゲームから元気を貰ったのは本当に久しぶり。


でもただ一つ、当時と違ったことがあった。それは、物語の要所要所で、度々自分が涙していたこと。そこには、スーファミ版を遊んでたときは得られなかった感動があった。その要因は、セリス。当時は彼女にまつわる演出や心情の変化を、僕はそれほど重視していなかった。というか、たぶん見えていなかったし、理解できなかったんだと思う。あとは、世界崩壊からの復興。各人が自分を取り巻く状況に半分諦めながらも、少しずつなんとか己を取り戻そうと、自分であり続けようと力を振り絞る姿。子供の自分が感じた楽しさと、大人の自分だから得られた感動を、僕はいっぺんに味わった。もしゲームの神様がいるとすれば、長い時間を超えて、いまこのタイミングで自分に『FF6』をクリアさせてくれたことを心から感謝したい。僕は『FF6』が大好きだと、声を大にして言える。


メタルギア』シリーズを手がけた小島秀夫監督は、「ゲームはきっと、人の命さえも救う」と言っていた。これについて今日、僕もまたひとつ確信を得たような気がする。ゲームが好きな人は、本当に幸せ者だと思う。(0:16)

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