急上昇ワード:「嫌消費」

なんだそれ?消費を嫌がること?と思ってググってみたら、まさにその通り。まーたこの話題かと。一番に出てきたのがこれ。


消費を悪と考える「嫌消費」世代が市場で台頭!景気を低迷させかねない“買わない心理”とは
http://diamond.jp/articles/-/10354


世代も暮らしぶりもドンピシャである自分がどれどれと読んでみると、


その普通の若者たちの「嫌消費」ぶりは、我々の想像をはるかに上回る。たとえば、インポートブランドよりも服はインターネット通販で買う、クーポンがないとカラオケやレストランには行かない、外食よりは1人でも家で鍋がいい、身体に悪いアルコールはいらない、といった具合だ。


だそうで。まず洋服。インポートブランドよりもネット通販を選ぶっていうくだりがまず分からない。比較の対象にすらならないのだが、これは何を言いたいんだろうか。ネット通販って、安物しか売ってないわけじゃない。個人的にはむしろ、良いものが安く売っている領域だと思っていて、ブランドものだからネットで買ったりする場合が多い。逆に安いものでよければせっせと外に出て手に入れたほうが早い。
次に、クーポンがないとうんたらかんたら。この書きっぷりでは、読み手に対して「クーポンがないと全く行かない(行く気が起きない)」と思わせてしまう。まあ筆者は本気でそう思ってるのかもしれないけど。クーポンは使えるときには使う。行くor行かないを左右する程のものではない。とても行きたければクーポンなしでも行く。そこまで行く気がなくてもクーポンがあれば行くかもしれない。そんなきっかけにすぎない。どの世代だって一緒だと思うのだが。
次に外食よりも家で1人鍋。これは財布事情によって色々なケースがあるだろう。お金が無い状態で、自炊で安く済むのであれば自炊。良い物が食べたい、もしくは外に出たければ外食。ごく自然な発想で、これもどの世代だって一緒だと思うのだ。逆にあれか、40〜60歳くらいの世代は、日頃から外食したくてたまらなくなるものなのか?「1人でも家で鍋」とか、なんで薄暗い印象を持たれる書き方をするかな。始めから理解する気ない&叩く気満々じゃないですか(笑)
身体に悪いアルコールはいらない。これもごくごく自然な考えでしょう。むしろ堅実な考えだと思うのだ。現に自分も必要なとき以外はまったくアルコールをとらない。まあ、もともと少量でも飲むと全身が真っ赤になる拒否体質であるからだけども。タバコは吸ってたけども、2年前にやめた。お金を払って発癌物質を体内に入れることが有益だと思えなくなったから。


 精神の自立の時期として重要な10代で、「阪神・淡路大震災」「地下鉄サリン事件」「いじめ自殺」「金融ビッグバン」などを経験。とりわけ「いじめ問題」は彼らに深刻な影を落とし、「目立たず、空気を読んで、できるだけ深く関わらず」暮らしていくことを余儀なくされた。彼らは、何より仲間からバカにされることを恐れ、周囲から「スマート」と思われたい願望が強いという。


そしてこのくだり。もうね、根暗かつ特殊な人格が育って当たり前、みたいなね。もはや、世代を越えれば別の生き物的な書きっぷり。生体分析みたいで気持ち悪い。別にスマートだと思われたいわけではなくて、ふつーのふつーの、極めてふつーの穏やかな人生が送りたいだけで、いまのこの国の政治経済はそれが脅かされそうな不安定な状況にあるため、こちとらいい歳して明るい未来を夢見てるわけにもいかず、犬死しないための倹約やら節約やらという話になってるだけなのだ。
この記事、終いにはおれらの世代が景気のさらなる低迷を招く害虫であるかのように表現している。消費活動と景気の関係なんか、いまどき小学生でも分かり切ってることで、じゃあその温床となったのはどの世代なんですか?という話。世代あたりの有権者数を見ても、おっさん、おばちゃんらの決定には、あんたらがいう「若者」は絶対に勝てない仕組みになってるのよ。
世の中をぶち壊しておいて、後からきた我々に責任を求めるあたり、いまの国の情勢がもろに表れている次第。こんな切り口の記事が書かれるのはいまに始まったことじゃないけども、急上昇ワードで上位に食い込んでるあたり、またしょうもないニュースやら番組やらが垂れ流されたんだろう。四半期に一度くらい、にわかにテンションが上がるタイミングで、たまたまこの記事を目にして書きなぐったエントリであった。


冷静に読むと、別にこの人もこの世代を叩きたくて書いたのではないことが分かる。ちょっと喚き散らしすぎた。でもこの中盤の書きっぷりは無いよなあ…。

          • -