“本物”のおっさん

フィル・ジャクソンのようになりたい。本物を見て、本物を知って、本物を経験して、本物を後世に伝えられる人。4〜5年前の自分は本当に人生を諦めかけていたけども、天狗の鼻も折れて(痛かった)、身の程を知って、周りに情けを貰って、ようやく今日に至る。自分の手の中には、自分が手にしてきたものしかない。だから、嘘とかまがい物が余計に目について仕方がない。
うちの父親とフィル・ジャクソンがいつもだぶって見える。小さな酒屋を経営して30余年。法律関係の専門職を目指しておきながら、健康上の理由から断念し、志半ばで実家を継いだ。小さな酒屋のオヤジなのに、なぜか友達はみんな偉そうな肩書きの人ばかり。勝手に寄ってくる。見てて分かるが、あれはたぶん本物だからなのだ。この歳になってようやく確信したが、うちの父親はちょっと特殊だ。何か、自分にはまだ見えてないものが見えていて、ずーっとそれに向かっている。還暦を過ぎても、まだ何かになろうとしてる。これまで何を得て、何を失くしてきたのか、そして何をまだ諦めていないのか、元気なうちに聞いておきたい。

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